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1.衛生推進者の特性

1.衛生推進者の特性

なぜ、衛生推進者にならないと難しいのかと言いますと、衛生推進者という職務が持つ特性として次のようなことがあるからです。

 

①衛生委員会の調査審議事項や職場の労安体制の方向性を決めていくのは、実質的には“議案を作成する”衛生推進者である。

 

②職務上、労働時間調査の結果情報を手に入れたり活用することができる。

 

③衛生推進者という公の立場にあることで、日常的に事業者(校長)との協議(説得)ができる。

 

④同一人物の意見でも、組合員より衛生推進者の方が事業者は受け入れやすい。

 

学校のさまざまな行事企画でもそうなのですが、通常、企画立案から議案作成、そして提案するのはその係担当者のはずです。

 

それと同じ発想に立てばわかりやすい話です。

 

具体的に言いますと、衛生委員会の一委員として「超勤を解消しましょう」と、校長に対していくらでも事業者・使用者責任を追及して批判や意見は言えますが(法的には「事業者への意見」)、これらはどちらかと言うとその場限りの単発的意見に止まりやすく、なかなかすぐには実現の方向に向かわないのが実情です。

 

それを脱却するためには、衛生委員会のレールを作り、継続して事業者(校長)を説得しながら、方針の提案から最終的な成果の見届けまで、一貫して主体的に取組を進めることのできる「公の事務方」としての衛生推進者の存在・肩書きがどうしても必要なのです。

 

 

極論を言いますと、超勤を減らすのは事業者の責務ではありますが、事業者であるが故にそれができないという矛盾した側面があります。

 

そういう事情から超勤問題を担うのは実質的には衛生推進者なのです。